懇願

娘から 「あのねぇ、ママァ。」 「幼稚園でね、『ぬいぬい』したことがあるの。いろんなものを作ったの。」 「すごく気を付けていたから、あのね、一回も『ちっくん』しなかったんだよ。」 「…だからね、ママァ。」 「ママみたいに『ぬいぬい』してもいい?させてくださぁい。」

と懇願され、何故こんなに頼み倒しているのか訊いたところ 借りてきたクラフトの本で紹介されている作品の大部分が縫って作るモノだからだそうで。

もっと易しめな本を選べばいいのになぁ…と思いつつ、しかしやりたいと思ったことはやらせてあげたいなぁと思いつつ、しかし針はまだ7歳では早いよなぁと悩みつつ、しかし一歩を踏み出すにはいい機会なのかもしれないなぁと思いつつ、こういう時のための、子供用の危なくない針とかあったらいいなぁとか考えつつ、返事に困っていたところ

「…ねぇ~、いーい?」 と返事をせっつかれたので 「…ちょっと待って。考えさせて。」 と返すと

正面向いて座っていた娘が今度は私の方に背を向け、私に体重を掛けて体育座りをしながら 「じゃあーいつになったらお返事くれるのお?」 と切なそうに、更に食い下がってきました。

それが昨日のお話で、そして今日も返事を早くくれるように催促されました。

娘が幼稚園で裁縫をしたという話は大なり小なり脚色されていて、実際の針は使ってはいないのでしょう。恐らくそんな前ふりは正直どうでも良く、要するに裁縫をしたいのでしょう。

ちっくんしない針があったらいいなぁ。 日本なら100均のビーズを買ってきて代わりにそれをさせるんだけれど。