三角

娘の書くひらがなの「は」は毎回、下のくるっと回る部分がグシャっと潰れていて、私としては少しだけ気になるところでした。日本に居たら年齢相応の平仮名となり、見栄えの悪さは自然と直るものでしょうが、ここは機会を設けてやらないと矯正のチャンスがありません。

「ねぇ、ここはもうちょっと輪を広げるように書いてみよう」 「いい機会だから一緒に『は』を10回書こう」 と提案したところ…。

案の定。 娘は水を急沸騰させたように、急激に不機嫌になりました。 風船に穴をあけたかのように、不満をどんどんと漏らしていきました。 しかしこれは想定内なので、私はその不満を全てスルーし、別の用紙を持ちだして書くように促しました。

「輪を広げるってどういうこと!?」 「これで良いでしょう!!」と娘。

「輪を広げるって、ここをもうちょっと丸くするってことだよ」と返すと 「一緒じゃん!!」と明らかに違うのを全く同じだと言い張りだしました。

「違うでしょ、ここ見てみてよ。」「ここ丸いじゃんさ。」 と平仮名表を指さして私。 「えっ!どこ!!」「丸くないよ!!」と娘。

「じゃぁちょっと自分の書いたものと見比べてみて。これと全く同じ書き方してる??ちゃんと輪っか作ってる?」 「作ってるよ!」 「結果的に作れてないでしょ。それに作ろうと心がけていたらこんなに毎回潰れたりはしません。」 「ええええええ!!!」 (もう言い訳が出来ないのに、反発をしたい時にこんな言い方をします)

「はい、書くからね。ママの『は』をよく見てね。」 そういって分かりやすく大きく「は」を書いたのですが、 それを見て娘が鬼の首を取ったかのように素早く

「ハン!ママの『は』は丸というより三角だね!」

丸とか三角とか、形状の話をしたい訳じゃないんですが(笑) ともあれ正しい「は」を、娘に再確認させられたので私としては満足です。 そして負けず嫌いな娘の性格が、後々に自分への克己心となることを願ってやみません(゚Д゚)